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Review

2019.03「渇望 Katsubou」 藤飯 千尋 個展

(2019.3.10-3.23 12:00-17:00)  Pastページ>>>>



藤飯 千尋



■展示を終えて
今回の個展は自分のためにやろうと思ってお話を受けることにしました。都会から離れ た自然豊かな山中にある古民家のギャラリー。ここできっと今後の糧になる何かを得ら れると直感で思いました。

搬入から搬出まで、通うことができたのは4回。しかも天候は思わしくなく、雨か曇り 、そのうえまだまだ肌寒い日々でした。風のさざめく音、草木のざわめき、瓦をたたく 雨音、喧騒の中にある都会とは違いそれらを肌で感じ感性が研ぎ澄まされるような、そ んな感覚がありました。それは丸裸にされた私自身が自然の中にぽつんと取り残された ような、私とそれらだけが存在しているような、不思議な、孤独ともいえる感覚。その 中でいつも以上に作品を通して自分を見つめることができたと思います。

美大出身ではない私がなぜ描くようになったのか?それは心の奥底で湧き上がる怒り や悲しみを鎮めるためでした。人間の苦悩、哀しみ、痛みに直面している自分や人々を 通して、そこから解放されたい、作品を通してそういう現実があることを伝えたいと思 っていました。喜びを表現したいとは思いませんでした。描くことは心の澱をなくす術 だから。澱をまずは言葉として紡ぎ、そこからイメージを膨らませます。でもそれだけ ではなく、人間の苦悩を包み込むような、言葉にすると陳腐に聞こえるかもしれません が、深い大きな人間の愛というものも表現していきたいのだということに気づきました 。そのためにはどうすればいいのか?今の表現方法を少し変えていく必要があるのかも しれない、今はそうやって思案しているところです。

話は変わりますが、画廊主の手島さんのご主人は某大学の副学長まで勤め上げられた 方です。手島さんも10年本町で画廊を経営なさっていました。ですが、ご主人の、人生 の最後は人間らしい生活を営みたいという希望で縁もゆかりもない南山城村に越してこ られることを決められたそうです。ご主人は田んぼでお米を作り、畑では野菜を、庭で は鶏を飼い、イノシシやシカを罠でしとめることもされます。いつもとても楽しそうに していらっしゃいました。忙しなく日常の雑多なことに追われていると、何が自分にと って重要なのか分からなくなる時があります。本当に自分にとって必要なもの、それが 何なのか手島さんご夫婦から学ばせて頂いたように思います。これはお世辞ではなく、 本当に。。これらの経験は今後の作品に反映させていきたいです。最後になりましたが 、機会を与えてくださった手島さん、遠方よりお越しくださった皆様、本当にどうもあ りがとうございました。

■藤飯 千尋 展示作品



2019.03 「つ・ぎ・は・ぎ」 鈴木 ひとみ 個展

(2019.3.10-3.23 12:00-17:00)  Pastページ>>>>



鈴木 ひとみ



■展示を終えて
 今回の個展ではテーマはつぎはぎで、繋いでいって大きくするイメージでした。 大学院を修了して自分の作風に絵画だけではなく立体が加わりました。取り扱っているのは主に羊毛です。 19歳の時フェルトの授業があり、ふわふわで、モコモコの羊毛が、固くなる様子に感動をしていつか、 作品にしたいなぁという野望を抱き、15年越しくらいに実行に移しました。 大学院の時は大きな机で羊毛の大きめのマットを作っていましたが作業場が家になると いきなり小さいものしかできなくなり苦肉の策にミシンでフェルト化した羊毛を繋いでいくことにしました。
 仕事の時人の力って本当に千差万別でひとつの力と、ひとつの力がかかわり合って大きな力になったり、 不思議な力のハーモニーを、奏でるなぁと日々思っています。羊毛フェルトの作品も不思議なハーモニーを奏でてほしいと思いました。 空間と響き、羊毛作品同士で響き会うそんなイメージです。 また、過去作も加えることで今の自分が歩んできた道も見直せた気がしました。 遠いなかご高覧下さる方々に恥じないよう胸を張って作品を見て頂けるよう勤めました。
 羊毛バッチワークショップは、初でした。 今回はシートのバッチの土台を作り、そこに皆さんで顔や好きなものを、入れていっていただきました。 思いの外小さいお子さま(3歳)も、お母様と二人三脚で、進められ、作家さんは、オリジナルで絵画のようなものも作ってくださり、 各々に楽しまれている様子で仕事をしている事業所でも、時々できたらいいなぁとかんじました。ワークショップをして、 大人の方もお子さまも輪になってニコニコこうしようとか作品を見せあっていて、あぁ、こういうの私の求めていたものだなって、 とても感じました。笑顔だったり夢中に無心になって工作をすること、 年だとか自分がおかれている立場をこえて繋がっていく場作りがしたかったんだなぁと、再確認できました。
 これからもワークショップや、作品を作り続けていく上で心が通い会う「場」作りを心に刻んでいきたいです。

■鈴木 ひとみ 展示作品


<OPENING EVENT>

「羊毛バッチでオリジナルスマイルを作ろう‼」

日   時 : 3月10日(日) 13:00〜
会   場 : AIR南山城村“青い家”
参加費 : 200円(材料費)

■オープニングイベント風景

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