Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村 Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村

Review

2016.03新野 洋 個展

(2016.3.13-3.26 12:00-17:00)  Pastページ>>>>



新野 洋



■展示を終えて
 今回の展示で私は、高尾小学校体育館を使わせて頂きました。この展示のお話を頂いたとき、 南山城に腰を据えこの地で制作した作品をちょうど完成させたところでした。しかし作品自体が 大型でしたし、さらに作品を引きで見れる大空間が必要でしたので、特別に小学校の体育館を使 う事に至りました。

 大型作品の展示は今回が初めてで、体育館の空間はかなり広く天井も高いため、作品設置のイ メージ通りの空間が作れるか少々不安でしたが、多くの友人に助けて貰い、想像以上の面白い空 間がつくれたのではないかと思います。

 私の作品は、自身が制作する環境が作品を形作るために重要な要素です。その土地で作られた ものをその土地で見せるということの面白さを感じました。まさに地産地消です。南山城の地が 生み出し育んだものを、いつもとは違うかたちで再発見できる機会になったのではないでしょう か。

 特別に体育館を使わせて頂いたことにより、大変多くの方々にご助力を賜りました。ありがと うございました。これからも南山城村で制作活動を続けていきます。村の皆様、今後とも宜しく お願い致します。

■新野 洋 展示作品



2016.03
クリスティーン・フリント・サト/Christine Flint Sato個展 & 里 博文 個展

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クリスティーン・フリント・サト/Christine Flint Sato



■展示を終えて
展覧会が無事に終わりました。 南山城村で作品が展示できたのは嬉しかったです。 自然の中で作品を作って、 展示して、皆さんに見てもらうという事は良い事でした。 展覧会に来て下さったお客さんが自然もアートも楽しむ事が出来ました。 アートの環境が非常に良かったと皆さんが言ってくれました。古い農家の中にギャラリーがあるのが印象的で、それと作品がよく合うと言っていました。 手島さんご夫婦の努力のお陰でこの素晴しいギャラリーの環境が作られました。 5年間、大勢なアーティストたちがこの珍しいギャラリーで作品を展示してき ました.私にもユニークな機会でした。ありがとうございました!



里 博文



■展示を終えて
 20年余り前、南山城村の自然に出会いました。妻と相談してこの地で新たな人生の側面を味わうことにしました。アトリエのある田山地区は緩やかな丘陵に茶畑が続いています。 今回の展覧会の撮影準備をきっかけに、南山城村のあぜ道を歩きました。過疎が進みつつある村ですが、山中の生活道路は今も健在で、江戸時代の幹線道路、大和街道も横切っています。村を流れる木津川、名張川も堪能しました。名張川が木津川に合流する近くは高山ダムになっていて、この月ヶ瀬湖にカヌーを浮かべて風の声を聴きました。湖底には太古の社もあります。大木の枝が水面に突き出て風と戯れています。  写真は目の前に在る、そして今ある物しか写せない表現媒体です。私は遠い昔への思いを投影するかのように撮影しました。確かにガラス湿版に写っていました。肉眼の世界とは違う風景が。  場と写真との関わりを考察させてもらった展覧会の企画に感謝いたします。南山城村の高尾の地でギャラリーを維持している手島さんに感謝です。denmymには、この地にあるからこそ感じられる世界があります。

■クリスティーン・フリント・サト/Christine Flint Sato個展 & 里 博文 展示作品



2016.03今谷 紀子 & 藤田 敬 個展

(2016.3.13-3.26 12:00-17:00)  Pastページ>>>>



今谷 紀子



■展示を終えて
信心深くない私も実家では、ご飯が炊けたらお供えをしています。これを「おっぱん」と呼んでいます。 ひとつは仏壇へ、もうひとつは、「今谷家先祖代々」と書かれたフォトフレームへ… 母が、普通の紙にペンで書いて、飾っただけのものが、いつ頃からかご先祖様になっています。
95歳のおばあちゃんは毎日「おっぱん」を供え、「どうぞお召し上がり下さい」と、しっかり手を合わせてくれています。 そんな不思議な光景に、「私がご先祖様を作ろう!」と思ったのは何年前だったか…。
今回作った「おっぱんさん」は、居間の棚には大き過ぎたので、またしばらく先延ばしになりそうです。

作るにあたって「おっぱん」という言葉について検索したところ…、正式には「仏飯(ぶっぱん)」といい「おっぱん」は西日本の呼び方らしいです。

子供の頃は、どうしても「おっぱい」と聞こえて、恥ずかしい感じでしたが、関西弁らしくて納得しました。
(展示中、タイトルの「おっぱんさん」を見て、山口県出身の方が「うちは、昔から「おっぱんさん」と呼んでます」と話してくれたのがとても嬉しかったです。)

しばらく検索を続けていたら、お坊さんの悩み相談コーナーに「うちの朝ご飯はパンなので、仏壇にパンをお供えしてはいけませんか?」とありました。
(お坊さんは「ご先祖様は心のこもったお供えものなら、何でも良い、皆さんと共有できることを喜ばれます」と答えていました。)

私が、もしパンをお供えするなら…と想像して、出来上がった作品が「おひさん」です。
(どっしりとしたカンパーニュが似合う祭壇。穀物の神様をイメージして広がった形。頭の中では、石で彫られた遺跡のスケール感になり階段をつけてみたり…作っていて一番楽しかった作品。)

「おっぱんさん」「おひさん」この二つの作品は「お供え」がテーマでした。

その他の作品
「カバ」…友人から、歯医者さんの開業祝いにプレゼントしたいと依頼があり、作ったものです。
三体作り、一番可愛くて小さいカバは嫁入りし、展示したカバは一番大きいもの。
きっと徳島では、歯医者さんに通う子供達が、「早く治りますように」と、カバの歯を撫でていることと思います。 青い家では、子供達がカバに乗り、記念撮影をしてくれました。

「cloud girl」…頭が雲になっている娘さん達です。
「重たく考えないで、フワッと頭は軽快にいこう!でも、人に記憶まで預けてしまい、考える事をやめたらスーッと消えてしまうよ」…と。

「鳥笛」…「cloudgirl」の「cloud=雲」から「雲路」という美しい言葉を知りました。
「月・星・鳥などが通るとされる雲の中の道…」という意味で、鳥が雲路を通って8人の娘さんに生まれ変わったという物語にし、8羽作りました。

「シーサー」…沖縄に行ったことがないのですが、シーサーが大好きです!

…以上、今谷紀子個展の作品でした。
作品を通して皆様とお話が出来たことに感謝しています。ありがとうございました。



藤田 敬



■展示を終えて
ここ南山城村に居を移して4年。
その間にGallery Den mymで開催される展覧会には足繁く通ってきました。 同村内で近場であったということもありますが、“そこで何が行われ、何が起きているのか”を確かめたいとの想いからでした。 作家は誰しも、作品を見ていただかなくては始まりません。(私的な自問自答の場合はこの限りではありませんが) 当然ながら、その場所も大きな意味を占めることは間違いありません。 そんな作家たちが、ここ(村)で何を発表して、何を感じとってもらいたいと感じているのかと、、、

長らく観客として、さらには村人として静観してきた自分が、今回は「青い家」で発表する立場となりました。 まず始めに感じたことは、なぜここに作品があるのか?ということ。 観客は、なぜかある陶芸作品をどのように捉えてくださるだろうか?と。 そんなことを問いながら、本展に挑みました。

そして、普段身近な村人に自分の陶芸を知っていただける良い機会になりました。 さらには、自分としては日常の延長であるこの村も、遠路遥々足をお運びくださる方々には、そのアクセス自体が特別なものかもしれません。知らない土地で出合った自分の作品や空間が「ようこそようこそ」とお迎えすることができたなら幸いです。

芸術、アート等々、難しく表現することは一見すると重きがあるような気がしていますが、今回の個展を通じ、自然体で表現し続けることの大切さを再確認することができました。 自然と寄り添う田舎暮らし同様に、何でもないように見えて、何にもないようにしか見えていないことがあるように、、、

以上、抽象的でぼやっとした文面になってしまいましたが、これをもちまして個展終了のご挨拶とさせていただきます。 このたびの個展にお越しくださった皆様ならびに、お声掛けくださった手島オーナーに心より感謝いたします。 「一期一会」と「感謝」の心を忘れずに、今後ともこの地で制作に励みたいと思います。
ありがとうございました。

■今谷 紀子 & 藤田 敬 展示作品
 


<OPENING EVENT>

Opening Live (Suelu)

日   時 : 3月13日(日)  13:00〜
会   場 : AIR南山城村“青い家”


■オープニングイベントを振り返って



 オープニングイベントの最中私は、お越し頂いた方々への作品の案内や会場までの道案内で、あ まりゆっくりと堪能する事はできませんでした。しかしながら春の日差しの中、おいしいお料理 と、素晴らしい音楽と、作品の展示と贅沢な時間を過ごされたのではないでしょうか。私自身も イベントが少し落ち着いてから友人と語らいながら食事をしました。大変貴重な時間を過ごさせ てもらいました。ありがとうございました。


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