Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村 Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村

Review

2019.09「オコナイ」 百上 奈歩 個展

(2019.9.15-9.28 12:00-17:00)  Pastページ>>>>


百上 奈歩



■展示を終えて
空間とは作品と融合することで、日々循環し呼吸をしているものだと実感することができた展示でした。
gallery den mymはとても特殊な環境だったので私にとっても新鮮さと不安とが入り混じり、 その場に立たなければ分からないなと、ぶっつけ本番の気持ちで臨みました。 結果、今の私の作品と絶妙に融合し、頭の中にあった風景をそのまま表すことができました。 そのような空間に出会うことがなかなか難しいので、引き合わせてくださったオーナーの手島さんには本当に感謝しております。 これから先、この空間以上のものを新たに創造していくと固く誓い、一つの重要な指針になりました。
遠いところ足を運んでくださり、気にかけてくださった皆様、支えてくれた家族、また新たなご縁も繋がり本当に有難いです。 "挑戦を忘れず探究していく"ということを更に意識して制作に励んで参ります。今後とも宜しくお願い致します。ありがとうございました。

■百上 奈歩 展示作品



2019.09 「認識の旅」 國吉 文浩 個展

(2019.9.15-9.28 12:00-17:00)  Pastページ>>>>


國吉 文浩



■展示を終えて
Gallery Denさんは、大阪・京堀町で営まれていた頃から知っており、学生の頃、ギャラリー巡りで、何度か足を運んでいました。 主宰の手島さんから別館“青い家”での個展のお話を頂いた時、「是非お願いします!」という気持ちで本当に嬉しかったです。

今回の個展では、《場》を意識した展示にしようと考えていました。

壁面と絵画を切り離して、純粋に絵画を「絵画」として鑑賞するホワイトキューブのギャラリーに対して、 「青い家」からは、その空間が放つ場所のエネルギーのようなものを私は、強く感じました。この場所の力に負けないような作品を描こうと、そんな気持ちで挑みました。

近年、私は、《分断と融合》や《background oozing》と題したシリーズをよく描いており、今回はそのシリーズを中心に、南山城村の風景を織り交ぜたものなどを展示しました。 簡単にシリーズの説明をしますと、《分断と融合》シリーズは、複数のパネルを組み合わせて一つの絵にしているもので、並べ替えが可能な作品です。 複数の物や出来事の《関係性》を意識して「世界の構造」を表現した作品です。 このシリーズの内のひとつは、縁側に展示しようと決めていました。 特に、縁側の作品は、時間の流れによって変化が観られる作品で、在廊中観ていて面白かったです。 外から差し込む光とのコラボレーションが、なんとも心地よい感覚でした。こんなにも自分の作品と向き合ったのは、初めてかもしれません。 また、土間に向かう通路や、土間に点在させた《background oozing》シリーズは、本来、背後に在るはずのものが、日常の風景を飛び越えて手前に滲み出てくるようなイメージの作品です。 薄暗い空間の中に、このシリーズがマッチするのではないか...と思い、数点土間に展示しました。

「認識の旅」と題した個展は、目に観えないものとの関わりを強く意識した展示となりました。 “青い家”での体験は、自身の制作テーマにも深くリンクしていたように思います。 会期中、一泊した日があり、夜の虫の鳴き声、風の音、木々や草のざわめく音は、昼間とはまた違った印象を受けました。 都会に居ると、人間が持つ本来の大切な部分を忘れてしまいがちですが、人里離れたこの地に来ると、目に観えない大切なものを呼び起こしてくれるようなそんな感覚になりました。 ギャラリーへ向かう道中、蛇を何度も目撃したり、イノシシの子供に遭遇したりと、これもまた都会では無い経験でした。

初日のオープニングイベントは、本館で展示された百上さんと相談した結果、ブラックボックスに手を入れて自由に描いてもらう「触覚ドローイング」に決まりました。 このワークショップもまた“目に観えないもの”との関わりです。視覚以外の五感を研ぎ澄まして、それを形にしてもらおう、という試みでした。 子供たちが楽しんで参加してくれました。参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました。 本館の百上さん、イベント準備など、ご協力頂き、ありがとうございました。

Gallery Den mym 別館「AIR南山城村“青い家”」での個展の制作・準備は、これまで開催した個展の中で最も大変でしたが、その分、遣り甲斐も強く感じられた展覧会となりました。 自分がやりたかったことを、この空間に反映できたと思います。この展覧会は、きっと今後の糧になっていくと確信しています。

今回、このような展示の機会をくださった手島さん、搬入・搬出をお手伝いして下さった方々、山奥までご来場くださっった皆様には心よりお礼申し上げます。

本当にありがとうございました。

■國吉 文浩 展示作品


<OPENING EVENT>

「触覚ドローイング」

日   時 : 9月15日(日) 13:00〜
会   場 : AIR南山城村“青い家”

■オープニングイベント風景

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