Gallery Den mym／Review／2015.11

Review

2015.11中井敦子個展

(2015.11.14-11.28 12:00-17:00)　　Pastページ>>>>

中井敦子

■展示を終えて
私が初めて南山城村を訪れたのは、昨年の夏でした。車を走らせながら、予想以上の山の中、溢れる緑の勢いに息を飲むような気持ちだったのを覚えています。
個展のお話を頂いてからも何度か足を運びました。訪れる度に山の表情が変わり、人との出会いがあり、ゆるやかな時の流れがありました。いつもは個展の制作は緊張することが多いのですが、お陰さまで今回は制作中もこれまでより穏やかに過ごせたように思います。

この画廊の建物は、古い民家を改装した二階建てになっており、薄暗く落ち着いた雰囲気があります。一階からも二階の作品がちらりと見えて、急な梯子を登る楽しさがあります。木や土のにおいがする昔ながらの建物です。二階には写実的な自画像を並べ、一階にはパステルカラーの群像や静物画を並べました。これまでは、自画像とその他の作品の共存にまとまりを出すのが難しかったのですが、この画廊では、建物の造りと雰囲気があいまって、違和感なく展示できたのがよかったです。あらためて自分の仕事を整理し、方向性を捉えるきっかけにもなりました。

個展の二週間のうちにも、色づいた葉が落ちて冬になってゆきました。南山城村の和やかな空気に包まれ、貴重な時間を過ごせたことが心に残ります。色んな意味で多くの励ましを頂き、発見がありました。自分らしく、自由に描くことの喜びをあらためて気づかせて頂いたように思います。これは今後の活動の大きな糧になるだろうと思います。

最後になりましたが、今回の個展の企画・お世話をして下さったオーナーの手島さん、高尾小フェスでお世話になった方々、初日にライヴ演奏をして下さったマイナーハウスさん、そしてご高覧頂いた皆さまに、深く感謝いたします。

■中井敦子展示作品

2015.11「Get lost in Dreamland −夢で迷子−」浅野綾花個展

(2015.11.14-11.28 12:00-17:00)　　Pastページ>>>>

浅野綾花

■展示を終えて
Gallery Denの手島さんに初めてお会いした2014年の夏。
あれからずっと楽しみにしていた青い家での展覧会。とうとう終わってしまいました。

「Get lost in dreamland -夢で迷子-」
この展覧会タイトルは台湾の友人が言った言葉から生まれています。
「You got lost in dreamland.」
「夢で迷子になったんだね。」

その時に彼の夢の世界でもなく、私の夢の世界でもない、はざまの世界があるように感じました。
そこには救いがあり、現実ではないむなしさがあります。
そのイメージは当時ちゅうぶらりんにそこにあるだけでしたが
南山城村に初めて行った時、夢で迷子になる感覚がその場所にリンクしました。

夢の中で不自由な感じ。
ぼんやり感じている本当の気持ち。
あの人に会いたいと思いながら歩く。
あなたに言いそびれた、ささやかなこと。

日常で浮き彫りになる切な瞬間を
改めて夢の中で体現していることがよくあります。
夢で自由に迷子になれたら、もう少し素直になれるのに。
いつか黙った気持ちを目に見える形にします。

「版をすること」「一瞬しかない気持ち」
その二つが重なるとモノタイプの銅版画作品になります。
フライヤー作家コメントより

人と接していて新しい世界の欠片を目にする時、好奇心に駆られます。
それが私の中でひとつずつつながって、表にあらわれることを面白く感じています。
私がつくるものは自身の記録やコミニュケーションの道具であるという事実と、
人の目に触れた時、誰かの何かになってほしいと思う気持ちの間を行き来しています。

展覧会をする時は魅せるというむつかしさも感じます。
でもやってみたいことがたくさん。
思い通りにいかない季節も、くさらず、すねないでいられたら。

雨が多くて寒さが増していく会期中になにかの試練かと思いながら
いろんなことを感じることができました。
初ドライブに発熱と嘔吐もセットの大冒険展覧会。
少したくましくなれた気がします。

とっても貴重な体験。
たくさんの人に手助けをしてもらってできあがった空間でした。

声をかけてくださった手島さん
会場に来てくれたみんな
応援してくれた方々
見守ってくれたみなさま
本当にありがとうございます。

信じたい人が、また増えました。
これからも、仲良くしてね。