Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村 Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村

Review

2015.03Visual Sensation vol.6

Gallery Den mym選抜 気鋭の若手平面作家のビエンナーレ
(2015.3.15-4.4 12:00-17:00)  Pastページ>>>>




仲摩 洋一



■展示を終えて
今回は自分にとって特別な意味を持つグループ展となりました。青い家の展示に関しては「今、この場所だからこそできること」について試行錯誤した結果、近年の展覧会で発表しているものとは違った作品ができあがりました。それでいて自分の中ではいい意味で力が抜けた表現というか、あまり奇をてらったつもりはありません。そしてイベントを含めて展覧会全体をより良いものにするためにメンバー全員で打ち合わせしたり、寝食を共にしたことが大きくプラスになったのだと思います。昨年の個展も含めて南山城村を何回も訪れることとなり、最初に来たときには「日常生活からかけ離れているな」と思っていた場所がとても身近な存在になってきました。

■仲摩 洋一 展示作品





中道 由貴子



■展示を終えて
お声がけいただいてから、作家同士の顔合わせ、打ち合わせと数えると、一年かけて今回の展示に向けて動いてきました。そのほとんどは人と場所に触れる時間で、それに比べると作品の制作時間はとても短かったように思います。 特定の場所を思い、扱った作品を作ったのは初めてかもしれません。 近作では、制作の過程が自身の内面性に近いものを扱っていることから、作品に使う資料をなるべく自分から遠いところから、直接関わらないよう心がけてきました。しかし、今回「青い家」で初めてインスタレーションに挑戦したことで、これまでの平面作品を新しい視点から見つめ直して、作品にとって大事にすべきことを自分の言葉で変に縛っていたことに気付くきっかけとなりました。 初日と最終日のイベントでは、雨の予報もはねのけて広がった青空の下たくさんの方に来て頂いたことも印象的でした。オープニングイベントの餅つきでは、南山城村の方々のご協力なくして進められないものでした。 遠いからこそ人と近く、新しいこと、思い切ったことに挑戦することを受け入れてくれる場所で、とても良い経験をさせていただきました。

■中道 由貴子 展示作品





中屋敷 智生



■展示を終えて
「Visual Sensation Vol.6」のお話しを頂いた時、わたしは期待と不安が交錯する中、久々に不安が上をいく展覧会に直面したなと感じた。まず、会場が奥深い山中にあることから客足が伸びるのだろうかという不安。そして、古民家という癖のある空間がわたしの作品を受け入れてくれるのだろうか、と不安を挙げれば際限なく浮かび上がる。 ただ、これらの大きな不安はまた大きな期待へと転換する現れでもある。まず、選出されたアーティストの方々がそれぞれに素晴らしいキャリアを持ち、敬意を払って対応することができたこと。そして、山間の僻地にある古民家という地の利を活かして、予てより試してみたかった大作や和室の空間を意識した作品作りに挑むことができたこと。 それらの期待と不安が交錯する中、良い緊張感をもって展覧会の初日を迎えることができ、結果的に想像を遥かに超える多くの方々に来場して頂きました。 また、今回の「Visual Sensation Vol.6」を経て、わたし自身の中でも次なる課題の確認と以前より探し求めていた新しい展開の可能性を飛躍的に感じ得ることができました。

■中屋敷 智生 展示作品





松井 沙都子



■展示を終えて
青い家では、古民家ならではの空間の性質を活かし、インスタレーションを行ないました。展示期間の少し肌寒い気候もあいまって、作品と鑑賞者の間に生じる少し離れた距離感をうまく実現させることができたと思います。 私のインスタレーションは、そこに示されていない何らかのイメージを想像させるための装置です。示されない何かの姿は、鑑賞者それぞれの中に想像上のイメージとして描き出されることになると考えています。そのため、今回の作品もまた立体造形物を含む作品であるけれども、絵具で描かれた絵画と同じ機能を果たす側面があり、インスタレーション全体において、拡張された絵画表現のあり方として解釈可能なものと考えます。今回の『Visual Sensation vol.6』は「平面」作品のための展覧会でしたが、そこに出品された私のインスタレーションを、展覧会主旨に沿う形で受けとって下さったお客さまがいらっしゃいましたら、とても嬉しく思います。また、作家同士の交流もとても実りあるものでした。特にイベントの企画は、シンプルな内容だったにも関わらず、すごく楽しくおもしろかったのです。それは本当に関係の皆さんのバランス感覚によるものに違いありません。自分の作品制作だけではなく、皆さんと協力して作り上げた経験が得られたことも含め、全てが深く記憶に残る展覧会となりました。

■松井 沙都子 展示作品





松本 侑也



■展示を終えて
青い家の縁側に座ってARTや日本の現代美術を考えるのは面白い時間でした。 村は不便ですがいらない情報が少ない分、じっくりと今の自分と向き合えたように感じます。 茶畑を前に、村で作品を発表する意義や意味を考えるのは難しい問題ではあると思いますが、何年後かに今回の経験が自分のキャリアの面白い位置付けにあればいいなと何となくですが思います。 ですが、とりあえず今は休む間もなく、次の展示に備えます。今度は町です!

■松本 侑也 展示作品





宮崎 雄樹



■展示を終えて
自分の展示場所に屋根があるとは言え、屋外は今までやったことのない展示でした。 まだ寒い日もある3月、その外気が当たる過酷な環境での作品設置は、作品の性質上まさに挑戦で、また作品の設営方法を考えるいい機会だったと思います。そんな中でも会期が進むに連れ温かくなると、周りの茶畑も巻き込んだ展示空間が少し感じれた気がしました。 やはりこんな山奥で活動すると、ニュートラルな気分になれます。そして自然に教わることが多く、また6人の作家が自然と仲良くなっていった感覚は嬉しかっです。

■宮崎 雄樹 展示作品



<OPENING EVENT>

参加アーティストによる餅つきイベント

日   時 : 3月15日(日) 12:30~
会   場 : Gallery Den mym本館の前庭


西宮市大谷記念美術館学芸員 池上 司さんの副音声による、餅つきイベントを開催いたしました。



<CLOSING EVENT>

参加アーティストによる座談会

日   時 : 4月4日(土) 13:00~
会   場 : AIR南山城村“青い家”の前庭


Visual Sensationの会期を振り返って、アーティストトークを開催いたしました。


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