Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村 Gallery Den mym ギャラリーデン南山城村

Review

2020.11稲垣 由紀子 展

(2020.11.15-11.28 12:00-17:00)  Pastページ>>>>


稲垣 由紀子



■展示を終えて
肌寒くなって、木々の色が美しく輝き出す季節。自然に囲まれてひっそり佇む家。
そこには鶏が忙しげに歩き回り黒山羊と白山羊が1ずつ、それぞれが相手のことなんか木にもとめていないかのように、せっせと草を食む。
レインと名付けられた黒っぽくて人懐こい犬が一匹、嬉しそうに迎えてくれる。
築百年以上のその家こそが今回の会場、Gallery Den mym.。
古い家の持つ磁場というか、気のようなものが全身を包み込み、怖いのと心地よいとの中間ぐらいの奇妙な居心地の場所。
今まで私が展示してきたどの会場とも似つかぬ場所に、どう対応したものか、、と考えている内にコロナの波が押し寄せ、一時は作る場も失った。
それでも白い紙に向かって、ひたすら六角形を描き続けた。
無心に六角形に連れて行かれるがままに身を任せながら、やはりあの場所を何度も何度も心の中で反芻した。
最後に描き上げた2つの大きい作品は、私の中にずっとゆらいでいたGallery Den mymの影に呼応して、今までと少し違う方向に進化したように思う。
逆境に立とうとも、より強く、より深く、これからどうしようか、と悩むより、先ずは一歩踏み出すこと。
まずは墨をすり、筆をとり、一つずつ描き進むこと。
そのことを改めて教えてくれた展覧会だった。
この好機を与えてくださった手島さんに心から感謝すると共に、彼女のこれからの一歩を見守り応援したい。

■稲垣 由紀子 展示作品



2020.11 岩野 勝人 展

(2020.11.15-11.28 12:00-17:00)  Pastページ>>>>


岩野 勝人



■展示を終えて
AIR南山城村「青い家」での2週間の展示も無事終了しました。 遠路ご来場のみなさま、ご高覧いただきありがとうございました。
今展が手島さんの主宰するGallery Den mym における最後の展覧会としてAIR南山城村「青い家」での展示。
手島さんは大阪で1995年にギャラリーを開廊されてから26年間、若い作家さんたちのサポート、発表の場としてギャラリーを運営されてきました。
11月の今期をもって、活動に一旦幕を下ろされました。永きに渡り、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。 さて、今回の展示は、会場である「青い家」が持つ、人の営みで刻まれた時間の記憶と生活臭が残る、 作品を展示するには決して優しくはない空間に対してどの様に働きかけるかで大いに悩みました。 で、僕の導き出した答え。今回の「青い家」での展示は3点。 まずは、「くもならべ」。雲の移り行くカタチや色にこの家の時間の流れを映したいと雲形に切り出したピース。
100個程のピースを雲のイメージに一人で描きあげて、いつもは多くの子どもたちとワークショップ形式で作りあげる「くもならべ 」を今回は娘と二人で構成した作品。 引き戸のガラス越しに見る「くもならべ」に今回の発見と収穫がありました。 外庭の緑が映り込み、内と外の景色が融合する瞬間、透過して何とも言えない清涼感と浮遊感を感じることができ、満足がいく展示となりました。
土間に設置した作品「ブルーウェーブ」には山茶花、金木犀、南天を活け、裸電球に照らされた作品と映し出される小枝の影をたのしむ趣向。 山茶花の真っ赤な一輪の花を手島さんに見立て、会期中に開花するであろう多くのツボミを配置。 会期中に山茶花のツボミが順次開花していく様、散りゆく花、新しく咲き出でる花の存在でギャラリーDenの奇跡と移り行く時の流れを表現しました。
青い家の玄関の外には、赤い脚の作品「HUGE FOOT」。来るべき人を待ち、そこに確かに立っている、存在している証として設置しました。 自分では佳い展示になったと思っています。そして最後にもう一度お伝えします。 手島さん、永きに渡り、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

■池田 高広 展示作品


<Closed Event>

「ギャラリーデンの最終イベント!野外舞台での太鼓演奏」

日   時 : 11月28日(土) 13:00〜
会   場 : Gallery Den mym 本館
参加費 : 無料

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